AI活用ポリシー
最新テクノロジーと人の調和による、誠実なサービス提供のために。
ヒューコムロジクス株式会社(以下「当社」と記す。)は、AIを「魔法の箱」ではなく「優秀だが監督が必要なジュニアエンジニア」として扱います。本ポリシーは、お客様に安心してお任せいただくための、私たちの具体的な約束です。
【1. AIの利用範囲と透明性】
私たちは開発プロセスにおいてAI(GitHub Copilot、ChatGPT、Claude等の生成AIを含む)を積極的に活用しています。ただし、その利用は以下の原則に基づきます。
- お客様への開示義務:AIを活用する工程がある場合、プロジェクト開始時にその旨と範囲をお客様に開示します。隠れてAIを使うことはしません。
- 利用工程の明確化:コード生成、設計補助、ドキュメント作成、テストケース生成等、どの工程でAIを利用するかを明示します。
- お客様の意向の尊重:お客様がAI利用を望まない工程がある場合、その判断を尊重します。
【2. 品質保証 ― AI生成物は「素材」であり「納品物」ではない】
AIが生成したコード・文書・設計案は、そのまま納品物にはなりません。
- 人間によるレビュー必須:AI生成コードは必ずエンジニアがレビューし、ロジックの妥当性・セキュリティ・保守性を検証した上でプロジェクトに取り込みます。レビューの判断はコミット履歴等に記録として残します。
- テストによる検証:AI生成コードを含むすべてのコードは、既存のテストプロセス(ユニットテスト、結合テスト、コードレビュー)を例外なく通過します。
- 責任の所在:AI生成物に起因する不具合の責任は、AIではなく私たちが負います。お客様に対する品質責任は従来と一切変わりません。
【3. 情報セキュリティ ― お客様のデータをAIに渡さない】
- 機密情報の入力禁止:お客様の機密情報、個人情報、認証情報、非公開のビジネスロジックを外部のAIサービスに入力することを禁止しています。
- 学習利用からの除外:業務で利用するAIサービスは、入力データがAIモデルの学習に利用されない形で運用します。具体的には、API経由の利用、法人向けプラン、または学習利用のオプトアウト設定を適用したプラン等、学習データからの除外が担保された状態で利用します。業務外のアカウントで業務情報を扱うことは禁止しています。
- 利用ツールの管理・選定:AIツールの導入にあたっては、社内のセキュリティ基準を満たし、データ流出防止が契約上担保されていることを必須条件としています。
- 役割に応じた利用範囲の管理:エンジニア、デザイナー、事務等、業務の役割ごとに利用可能なAIツールおよび入力可能な情報の範囲を分け、必要以上の権限・機能を持たせないよう運用しています。
【4. AIエージェントの実行リスクと外部入力への対応】
AI、特にコマンド実行やファイル操作を行えるエージェント型AI(Claude Code等)は、便益と引き換えに破壊的操作・情報漏洩の経路となり得ます。当社はこの特性を踏まえ、以下を徹底します。
- 破壊的操作の人間確認必須:ファイル削除、システム変更(sudo等の権限昇格)、外部通信(curl等)を伴う操作は、AIの判断のみで実行させず、必ず人間が内容を確認した上で実行します。確認を省略するモード(パーミッションのbypass等)の常用は禁止します。
- 実行環境の分離:AIエージェントの実行は、プロジェクト作業ディレクトリおよび業務上必要なネットワーク範囲に限定します。ホームディレクトリ全体やシステム領域への無制限アクセス、機密情報を含む環境変数ファイルの読み込みは許可しません。
- プロンプトインジェクション対策:AIが読み込む外部データ(メール、ドキュメント、Webページ、お客様から受領した資料等)に指示文が含まれていた場合でも、それを実行指示とは見なしません。外部由来の指示に基づく操作を行う際には、必ず人間の承認を挟みます。
- 設定の組織的な強制:上記の制約は個々のメンバーの自主性に委ねず、利用ツールの設定やOSの管理機能を通じて、可能な範囲で技術的に強制します。設定の逸脱は検知・是正の対象とします。
【5. 知的財産権の取り扱い】
- ライセンス汚染の防止:AI生成コードの採用時には、既存のオープンソースコードとの類似性を確認し、意図しないライセンス汚染を防ぎます。
- 著作権の尊重:AIを用いたコンテンツ生成において、第三者の著作物を不正に再現・流用しません。
- 納品物の権利帰属:AI活用の有無にかかわらず、納品物の知的財産権の帰属はお客様との契約に従います。
【6. エンジニアとしての姿勢】
AIは私たちの生産性を高めるツールですが、以下を組織の行動規範とします。
- 理解なき採用の禁止:自分が理解していないAI生成コードをプロジェクトに取り込みません。「なぜこのコードが正しいのか」を説明できることを採用の条件とします。
- スキルの空洞化への対応:AIへの依存によるエンジニアの技術力低下を防ぐため、基礎技術の学習・研鑽を継続します。
- AIの限界の認識:AIは誤りを自信満々に出力します。その特性を理解した上で、批判的思考をもって活用します。
【7. 継続的な改善】
AI技術と関連する法規制は急速に変化しています。本ポリシーは固定のルールではなく、以下の方針のもと継続的に見直します。
- 関連法令・ガイドラインの動向を定期的に確認し、必要に応じてポリシーを更新します。
- お客様からのフィードバックや社内での運用実態を踏まえ、実効性のある改善を行います。
- 社内勉強会等を通じ、全メンバーのAIリテラシー向上に取り組みます。